そもそもも、そも、四方山話②

晴れて「公務員」になった私は
入庁してすぐ、2週間の研修を受けた。
接遇だの、法解釈だの、ディスカッションだの、、、
なにやら毎日、睡魔大乱闘状態だったが
たったひとつ、覚えている事がある。

接遇マナーの講師の方だったと思うが
ご挨拶程度に、心理ゲームのような事をした時間があった。
大きな画用紙と色鉛筆が配られ、
お題から連想する人の名前や形を好きな色で思いついた場所に自由に書き込んでいくものだ。
簡易的だったので、あまり深く考えずに、淡々と描いた記憶がある。

無意識の意識、人間性や考え方みたいなものがわかる
タイプ別診断のようなものだったが
講師の方が教室を回りながら「あら、珍しい!」と私のところで足を止めた。

私が入った役場は、政令指定都市だったこともあり、
その年度の新入社員は200名を超えていたと思う。
その全員が何クラスかに分かれてこの講習に参加していたのだが、
やはりどのクラスにも、この「タイプ」はいなかったと言う。

どんなタイプだよ…と思う私を横目に
講師の女性は続けた。

何年もこの仕事をしてきて、
新入社員研修では毎回このテストをするんだけどね、これが面白いくらいに、当たるの。
その会社の社風によっては、何人かいる場合もあるんだけど、
公務員で見かけるのはとっても珍しいわ。

そんなアナタはね「社長タイプ」
独立して、自分で会社をおこしたら
必ず上手くいくタイプだから、頑張って!
あ、でも公務員だからね、それでも公務員としてもその才能を発揮して…

…もう後半のほうの話しは覚えていない。

多少だけれど紆余曲折を経て、やっと公務員になった、矢先。
どんな運命かは知らないが
なぜに私は社長タイプと診断されて、
同期たちから おぉ~! という謎の拍手まで貰い
無駄に、頑張って!とまで背中を押されているのか…
すでに前途多難である。
公務員みなこ社長、前途多難である。

ま、そんなおふざけは、今だから言えるのだが
結局のところ、この方の言ったことは、ある意味で当たっていたのかもしれない。

丸4年、税務という仕事をした。
季節労働者と呼んでいたが、冬の繁忙期にはその日のうちに帰れない事もあったし
残業するのが当たり前で、残業代だけで生活できるくらい残業もしながら
大好きなスノーボードもぎゅうぎゅうに予定を詰めてナイターで夜中まで滑っていたし
休日出勤してスノーボードして、明け方まで長電話する相手もいたし
つまるところ、全然寝てない日が3ヵ月くらい続く生活を送って、
公務員面白くないし、全然面白くないし、ってか公務員嫌いだし、
あーーーー疲れすぎたから、結婚でもして辞めよっかなぁ…となった所で
今の旦那さんにお願いをしたのだ。

悪いけど、貰ってくれない?と。笑

当時、彼は私の彼氏ではなかったと記憶している。
かといって、誰かの彼氏でもなかったし、私も誰かの彼女ではなかった。
過去最大のハズレくじを自ら売りつけた訳だが、
クーリングオフの8日間を過ぎても、未だ返品はされていないので
まぁ、それなりの「商品」だったのではないかと自負している。
そう、体重が20キロも増えたことは想定外だったが。(すまぬ)

さてさて、
「ガソリンスタンド店員」から「公務員」となり、結果ただの「主婦」となったみなこ。
勢いで主婦になってはみたものの
どえらい田舎町で生きる事となるのである。

 

つづく

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