『 petit color 』
フォトグラファー 佐藤 みなこ
1981年 札幌市で生まれる。
写真を撮ることが趣味だった父のカメラに興味を持ち
中学生のころにはフィルムカメラで写真を撮っていた記憶があります。
高校時代には、写ルンですを常備し
大人になってからは、コンデジ、一眼レフ、トイカメラ、フィルムカメラ
ミラーレスと、とにかくずっとカメラと供に生きてきました。
よく、いつから写真を?と聞かれますが、正直よくわからないのです。
そのくらい入口らしき入口もわからない”相棒”で
お仕事をさせて頂くのを決意したのが、2019年。娘が7歳と5歳のときでした。
私は昔から「記憶する」ことが苦手です。
とにかく、ただ覚えるという事がで不得意です。
旅行に行っても、楽しかった事実はちゃんと覚えているけれど
どこに寄ったらどんな景色だったのか、あの日食べた美味しいものも、すぐに忘れてしまう。
まったく困った性分なのです。(よくよく道にも迷っています 笑)
ふと子育てを振り返って
やっと少しだけ、自分の時間を作れるようになるところまで精一杯走ってきた、今(まだまだ途中だけど)
赤ちゃんだった我が子は、いっぱしの子どもになっていて
気がついたら、我が家に赤ちゃんがいなくなっていました。
生まれた時のカサカサでシワシワだったほっぺも
ぷくぷくむちむちだった手足も、トサカみたいだった髪も
初めて買った靴も帽子も、ベビーカーを押した河川敷も、手を繋いでヨチヨチ歩いた公園も
家の中に溢れていたオムツですらもう全部「過去」になっていて
そんな私ですから
精一杯撮り続けた写真たちだけが
過去の記憶と愛おしさを抱いて、手元に残りました。
そんな写真たちを見返して
「あぁ、なんて可愛い寝顔!」「あぁ、離乳食頑張ってたな、私」
「あそこのソフトクリーム美味しそうに食べてたよね」なんて
ただただ、そこにあった日常がとてもとても大切でありがたい日々だったんだと思わされます。
記憶だけでは、抱けない感情がそこにはあって
だからこそ「記録する」ことにこだわるのかもしれません。
もしも時間が巻き戻せるのなら
もう1度彼女たち(娘)の成長を全部全部撮り直したいくらい。
そして全部、何一つ忘れたくない。そのくらいの熱量を自分に見つけたのです。
子供の成長はあっという間。
本当にあっという間だったからこそ
そしてこれからも、本当に本当に、あっという間なんだろうと思うと、とにかく残したいのです。
私の撮影は、スタジオではなく、ほとんどがロケーション撮影です。
皆さんの時間と空間にお邪魔して、撮影させて頂きます。
そしていつも通り過ごして頂くだけ。
そこにドラマを作るのが、私のお仕事です。
こんな写真が残したかった!誰に頼めばいいか分からなかった!
こういう撮影をお願いしても良かったんだ!
そんな、痒いところに手が届くようなカメラマンを目指しています。
『ロケーション撮影』もとより『日常の記録』も、まだまだ北海道では浸透していない文化です。
それでも、興味を持っていただけたり、
「佐藤みなこ」を知ってご依頼いただけるお客様がいて下さること、本当に嬉しく思います。
まだ見ぬお客様も、いつもご依頼いただけるお客様にも、日々感謝の気持ちでいっぱいです。
佐藤 みなこ